« 胃液逆流のキラキラ度 | メイン | もう27なのに… »

2009年03月11日

緑色の春風

うっかり感想をためている間に
青山からグリーンフィンガーズが去って行ってしまいました。
きっと大阪でも穏やかな緑風が吹く事だと思います。
まずは青山おつかれさまでした。

達者な役者さんと奇跡の役者相葉さんが生み出した
穏やかで前向きになれる舞台だったと思います。
平さんという凄い俳優さんの演技に生で触れられたという事も
自分にとって価値が高い事であったと思います。

グリーンフィンガーズ 3月04日 19:00
グリーンフィンガーズ 3月08日 18:00
グリーンフィンガーズ 3月10日 19:00

 
回を重ねるほど良くなる舞台だった気がします。
観る回を重ねるほど自分の中で咀嚼できるという事も
もちろん大きく関係しているとは思いますが。

相葉さんの奇跡のような瞬間を追い求めて坂を登っていたわけですが、
嗚呼すごく響く…、伝わってくる…、と思う場面が
公演日後半になればなるほど何度もありました。

仮釈放のための面接のシーン。
暗闇の中にただ一人佇んだコリンが
自分の心境を静かにゆっくりと穏やかに吐露するシーン。
罪の重さから生きている意味を見出せなかった今までの自分と
仲間とガーデニングをする事を通じて起きた人生への価値観の変化を、
噛締めるように、自分自身に言い聞かすように、
吐露していくというとても重要な場面。
とくに10日の相葉さんはコリンそのものだったと思う。
苦悩から解放されるということは決してないが、
人生や生きる事への意味を感じられる糸口を掴んだ少しの嬉しさ、
一方でただ真っ直ぐに植物を育てるのが好きだ楽しいという純粋さ
そんなコリンという人の気持ちがとても伝わってきて
客席に座っていながら「コリンよかったね…」と心から思えた。
そのあとに続くコリンを送り出すファーガスの気持ちや台詞とシンクロした。

ファーガスとコリンとのシーン。
後半ファーガスの病状がいよいよ悪くなり、という場面。
それでも2人の部屋にはいつもと変わらないような空気が流れていて
冗談を交えた他愛もないような会話が進んでいく。
この後にコリンがファーガスに罪を告白する事になるんだけれど
その直前のこの2人で取り交わされる会話のシーンがすごく好き。
ファーガスは自分の行く末を感じながらもいつもと変わらぬ軽口を叩き、
それに答えたりしながらも彼のことを心配するコリン。
ゆったりとした時間の流れの中で穏やかに会話が進んでいく。
舞台中では「親友」と表現されているけれど、
父親と息子のような祖父と孫のような空気感があって
ただのルームメイトではないお互いに心を補いあっている、
そんな2人の特別な関係が象徴されているようなシーンに思えます。
初日に見た時は特にこんな風に感じなかったと思うけれど
穏やかな中にも胸がギュっと締め付けられるようなそんなシーン。

ガーデニングのコンテストで賞を逃したコリンに恋人が
「がっかりしてないのね?」と声をかけそれに対してコリンが
「がっかりしないといけない?」と笑顔を見せるシーン。
たったひと言だけれど、この物語が集約されているひと言だと思う。
ガーデニングを通じて生きる喜びや人生の意味やかけがえのない仲間、
そういうものをコリンが手に入れたという事にこそ大きな意味がある。
コリンはとても嬉しそうにそして輝くような笑顔でその台詞を言うんです。
それは相葉さんの相葉さんたる所以というような嘘のない輝くような笑顔。
もちろん相葉雅紀の笑顔ではなくてちゃんとコリンの笑顔になってると思う。
舞台頭からコリンと真っ直ぐ向き合って来たんだな、って分かる笑顔。
例えどんな達者な役者さんがコリンをやったとしても、
この台詞における相葉コリンの笑顔には勝てないのではないかな、と。
これこそ奇跡のような瞬間だと思いました。

この3つが自分の中での三大ベストシーンです。

それから一番心に残った台詞は、
ファーガスが罪を告白したコリンに言った言葉。

神は人をその人の
最低の行為で裁くのではない
最高の行為で裁くのだ

コリンもこのファーガスの言葉でかなり救われたのだと思う。
人はだれでも後悔を抱えているものだけれど
そんな人を前向きに生きさせてくれる言葉だと思いました。
生きていれば何かが出来る。
出来るチャンスがある。
今よりももっともっと良い何かが。
私も救われたような気持ちになりました。

投稿者 azu : 2009年03月11日 13:06

コメント